緑内障について
【緑内障の早期発見について】
緑内障は日本における失明の第2位を占める病気です。岐阜県多治見市で行われた緑内障疫学調査(多治見スタディー)によれば、40歳以上の17人に1人が緑内障の潜在患者さんであるとの報告がなされてます。 

重要なことは、その内の8割以上が、眼圧が正常範囲でも視神経障害が生じるタイプの緑内障(正常眼圧緑内障)であったことです。全国の患者数は推定約400万人に達します。ですから、早期発見、早期治療の重要性が叫ばれています。日本眼科学会、日本眼科医会ともに、40歳以上の方の年1度の眼科受診を勧めています。

緑内障は放置すれば失明にいたる場合もある疾患です。しかしながら、早期発見、早期治療により、多くの方の失明を防ぐことができる疾患でもあります。

当医院では、早期発見の切り札として、ハイデルベルグ視神経3D撮影装置(HRT2)を多摩地区、立川市でいち早く導入しております。

【緑内障って、どんな病気?】
緑内障は、目の圧力で視神経が傷つき、
視野が狭くなっていく病気で、
中途失明の原因の第2位です。

まぶたの上からそっとさわるとわかるように、眼球は空気のつまったボールのように張りがあります。これは眼球の中の圧力(眼圧<がんあつ>)が外よりも高く保たれているからです。おかげで、身体を動かしても眼球の形が変わらず、網膜(もうまく)の上にきちんと映像を結んで、ものを見ることができます。

ところが、眼球の後ろにある視神経(ししんけい)はとても繊細で、眼圧に耐えられないと押しつぶされて、傷ついてしまいます。残念ながら傷ついた視神経は元には戻りません。その結果、大事な視神経の数が減ってしまい、視野(しや)がだんだん欠けていきます。これが「緑内障」です。

しかも、早期に発見、治療して、病気の進行を止めないと、ついに失明に至ります。実際、緑内障で失明する人は、糖尿病網膜症(もうまくしょう)についで2番目に多く、油断のできない病気なのです。

【緑内障の治療】
◇◆薬物治療◆◇
点眼薬で、眼圧を下げる

緑内障治療は、症状の進行を抑えることが目標です。そのためには、眼圧をできるだけ下げる治療が重要です。眼圧を下げる方法としては、点眼薬を用いる方法と手術する方法がありますが、まず初めは、点眼薬で眼圧を下げるのが一般的です。通常、1種類の点眼薬から始め、効果がない場合は薬を変更したり、2種類、3種類の薬を併せて使うこともあります。

それでも効果がない場合は、内服薬を使うこともありますが、副作用が出やすいので長期間は使用しづらいです。

◇◆レーザー手術・外科的手術◆◇
薬で眼圧が下がらないときは、外科的治療

薬だけで眼圧を充分に下げることができない場合には、レーザー手術や外科的手術で房水の流れを良くして、眼圧を下げます。

しかし、手術を行ったからといって、視野が回復するわけではありません。あくまでも緑内障を進行させないための方法です。

〜レーザー手術 〜
房水の排水口である、あみの目状の線維柱帯にレーザーを当てて、目づまりを減らします。この治療は入院しなくても行えますが、充分な治療効果が出る場合と出ない場合があります。また、手術後眼圧が下がっても、だんだんその効果がなくなってくることもあります。

〜外科的手術〜
目づまりを起こした排水口を部分的に取り除いたり、切り込みを入れたりして、房水の流れを良くする方法です。1〜2週間の入院が必要です。

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